起立性調節障害は珍しい病気ではありませんが、遅刻や寝坊が原因で不登校やいじめにもつながりやすく、周りからも理解が得られにくい症状です。

病院でも起立性調節障害への理解があるところは多くなく、ストレスが原因等の曖昧な診断を下されることも少なくありませんん。

すぐに症状を良くしたいけど投薬治療はちょっと・・・という人には漢方薬での起立性調節障害治療も視野に入れるといいでしょう。

漢方薬と起立性調節障害について「医中誌Web(医学中央雑誌)、PubMed(米国国立医学図書館内データベース)、ツムラ漢方スクエア(医療関係者向けサイト)」を対象にした 日本東洋心身医学研究会EBM作業チーム の調査結果があるのでそれを元にわかりやすく解説していきます。


心身症およびストレス関連疾患に対する漢方治療のエビデンス

 

漢方医学での起立性調節障害の考え方

 起立性調節障害は、漢方医学的には気虚が原因 と考えられています。

気とは活動するためのエネルギーのことで、気虚とはそのエネルギーが慢性的に不足している状態のことです。

通常人間の身体がエネルギー不足になっても、食事や睡眠などを摂ることで翌日には回復します。

しかし過労やストレスが続くとエネルギー不足が慢性的になり疲労倦怠感が症状として現れるようになってきます。

起立性調節障害を漢方で治療する場合には、気虚に対する効果があるものが使われることが多いでしょう。

ここでは各種文献より特に起立性調節障害への効果が期待できるとされている4つの漢方を紹介していきます。

 

 

柴胡桂枝湯(サイコケイシトウ)

柴胡桂枝湯起立性調節障害への有効度:73.6%~81.8%


柴胡桂枝湯には起立性調節障害の他に 頭痛、腹痛があり、胸脇苦満(胸部の締め付けに対する感覚異常・息苦しさ・胸苦しさ)などの症状もあるタイ プ には柴胡桂枝湯が有効です。

起立性調節障害患者に柴胡桂枝湯を8週間投与した結果、効果と安全性と親から見て改善されたと判定された割合は66.7%と高い水準でした(39/53例中)

他の調査結果でも81.8%の有効性が認められるなど、起立性調節障害で漢方薬を処方しようとしたらまず柴胡桂枝湯が視野に入ってくるかと思います。

調査時には 約4~6gの柴胡桂枝湯 を投与しています。

この量は市販されている柴胡桂枝湯の一日当たりの服用量にあたります。

柴胡桂枝湯の価格は2000~3000円程度です。

 

補中益気湯(ホチュウエッキトウ)

補中益気湯

起立性調節障害への有効度:62.5%~69.7%

 

補中益気湯を起立性調節障害児に4週間投与したところ、起立によって生じる脈圧の狭小化が改善したという報告があります。

ただしいまだ奏効機序に関する詳細な情報は見つかりませんでした。(なぜ効果があるのかわかっていない)

補中益気湯は虚弱体質など気虚症状があらわれている方に良く使われる漢方です。

補中益気湯の価格は1000~3000円ほどです。

 

小建中湯(ショウケンチュウトウ)

小建中湯

起立性調節障害への有効度:71.4%

 

小建中湯は起立性調節障害の症状のほかに、 食欲不振や腹痛などの消化器の症状がある 場合に有効であるされています。

小建中湯を起立調節障害を伴う不登校児に投与したところ、14人中9人が4週間以内に登校を再開したというデータがあります。

小建中湯の価格は1000~2000円ほどです。

 

半夏白朮天麻湯(ハンゲビャクジュツテンマトウ)

半夏白朮天麻湯

起立性調節障害への有効度:78.9%

半夏白朮天麻湯は起立性調節障害の症状の他に、 めまい、脳貧血、動悸などの症状がある循環虚弱型 (血の巡りが良くない人)に効果的です。

半夏白朮天麻湯を8週間にわたり5g投与したところ起立性調節障害が陰性になった症例は19人中15人でした。

半夏白朮天麻湯は病院でもよく処方され、虚弱や冷え、水分停滞に効果が期待できます。

半夏白朮天麻湯の価格は2000~3000円ほどです。

 

起立性調節障害と漢方薬についてのまとめ

いかがでしたでしょうか?

漢方薬は起立性調節障害に対して効果が認められているものもありますが、 漢方薬は人により効果に違いが大きく出るのも特徴 です。

ぴったり合う人には絶大な効果を発揮することもありますが、身体に合わない人には副作用が出る可能性もあるので一度漢方専門店で相談してみて下さい。

その際には 起立性調節障害へしっかり理解がある専門医 に罹るようにしましょう。

最近では起立性調節障害に効果があるとされるL-テアニンを配合したサプリメントもあるので、漢方薬が苦手で飲めない場合には検討してみてください。

 

 

文責 : 起立性調節障害治療.com|全日本心健会

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