起立性調節障害の非薬物療法では主に日常生活の改善を目的としています。

日常生活と起立性調節障害の関係性は密接で、生活環境が乱れてしまうと薬物療法を受けても起立性調節障害は回復しにくくなります。

ここでは日常で出来る起立性調節障害の治療方法や注意点などを解説します。

 

生活動作

人は座ったり立ったり、寝たり起きたりするたびに血圧や心拍に大きな変動があります。

通常の人ならこれらの影響があっても脳血流を一定にするために身体が自動的に調節してくれます。

起立性調節障害の場合にはこのシステムが正常に働いていないため、起立時に立ちくらみやめまいを起こしてしまいます。

起立時の諸症状を抑えるためには急に立ち上がったり起き上がったりすることは避け、30秒ほどかけゆっくりとした動作をこころがけましょう。

その時も心臓と頭の位置はなるべく地面に対して平行にしておくことで脳血流の低下は防げます。

無理矢理起こすと脳血流が一気に下がってしまい気分を悪くしてしまうため保護者の方は注意してください。

 

水分の摂取

起立性調節障害児の多くは水分の摂取量が少ない傾向にあります。

体重が30kgの場合には1.5リットル、45kgの場合には2リットルの水分が必要とされ、それを下回ると循環血漿流量が低下し血圧の低下が起きてしまいます。

特に夏場などは脱水状態になりやすいので少なくとも2リットルは飲むようにしましょう。

水分は水に限らずポカリスエットやお茶などで構いません。

 

塩分の摂取

塩分をとると血圧があがることはご存知の方も多いと思います。

健康を意識するうえで塩分の摂取は控えることは重要ですが、起立性調節障害の子どもの場合には事情が変わってきます。

起立性調節障害の子どもは塩分の強い食事を好まない傾向にあり、一日の必要塩分量を下回っていることがあります。

塩分を1日7gしか摂取していなかった起立性調節障害の子どもに、塩分の摂取量を10gに調整をさせたところ起立性調節障害の症状が改善したというデータがあります。

塩分の過剰摂取にならないように、普段の塩分摂取量を少し増やしてみるといいでしょう。

 

生活リズムを整える

起立性調節障害は夜寝付きにくく朝起きられないという特徴があります。

通常の人が1日24.5時間の体内時計をもっていると言われていますが、起立性調節障害の子どもは27~30時間の体内時計をもっているという研究結果があります。

24時間心拍変動解析による起立性調節障害(OD)児の生体リズムの検討

 

それでは夜寝ないのを放っておいていいのかというとそうではありません。

無理に寝させるのではなく眠りにつきやすい環境をつくってあげることが大事です。

そのための具体的な例をあげていきます。

 

①夜11時までには布団に入る習慣をつける

 

②部屋の明かりを暗くし、蛍光灯の場合にはオレンジ色のの電灯に変える

 

③リラックスできるような音楽を流しストレッチを行う。

起立性調節障害の子どもは肩こりがひどい場合が多いので保護者がマッサージをしてあげるとより効果的です。

 

④朝7時ごろからカーテンを開け日の光を浴びせる。

立地上難しい場合には光目覚ましなどを活用する。

 

⑤学校を休んでしまった場合でも日中は身体を横にせず、出来るだけ身体を動かすようにする。

 

⑥テレビやスマホの使用時間を1~2時間に制限する。

強制すると親子関係がこじれるの注意しましょう。

 

⑦10分程度でも良いので運動を取り入れる。

起立性調節障害は夕方から夜に快方するのでその時間に散歩などの軽い運動をしましょう。

 

⑧気温が高い場所では血圧が下がるため暑いところは避ける。

 

これらの方法すべてを実践することは難しいと思いますので、最初は1つから生活に取り入れ習慣化していってください。

子どもがやりたくないと言っても根気よく忍耐強く一緒にやるという姿勢が大事です。